東京五輪エンブレム問題が予想以上に拡大し、観念した大会組織委が佐野研二郎エンブレムの原案を公開しました。
ところがその原案エンブレム、2013年に開催された「ヤンチヒョルト展」のポスターの一部と非常に酷似しており、「またパクリか…」と話題になっています。
東京五輪エンブレム問題も気になるところですが、今回はパクリ元となった「ヤンチヒョルト展ポスター」の主役・ヤンチヒョルトについてチェックしてみましょう!
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ヤンチヒョルトとは?
代表的なタイポグラファー
ヤンチヒョルトはドイツを生まれとするタイポグラファー。
ヤンチヒョルトの家は看板屋を営んでおり、ヤンチヒョルトはその長男として誕生しました。
またヤンチヒョルトはカリグラフィーを学んでおり、看板屋の職人としての生い立ちとカリグラフィーの技術・知識とが融合したことで、同世代のタイポグラファーたちとはまったく異なる存在となりました。
ミュンヘンの職業学校で講師も務め、その後ヤンチヒョルトは膨大な書籍を書き起こし、欧米のデザイナーたちに大きな影響を与えることとなったのです。
タイポグラファーとは?
タイポグラファー(英: typographer)は、活字の組版・印刷・製本など、(特に書籍を中心とする)印刷物の製作を全工程にわたって指揮しうる、タイポグラフィに精通した技能者のことをいう。
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9D%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A1%E3%83%BC
タイポグラフィとは?
タイポグラフィ(英: Typography)は、活字(あるいは一定の文字の形状を複製し反復使用して印刷するための媒体)を用い、それを適切に配列することで、印刷物における文字の体裁を整える技芸である。
引用元 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%9D%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3
ヤンチヒョルトのプロフィール
出典 wikipedia
字:Jan Tschichold
読み:ヤンチヒョルト
生年月日: 1902年4月2日
没年月日:1974年8月11日
出身:ドイツ・ライプツィヒ
職業:タイポグラファー・カリグラファー
ヤンチヒョルトの主な経歴
1923年
ドイツで開催された展示会を訪れたことがきっかけとなり、モダンデザイン主義者に転向。
1925年
雑誌を出版。
これがきっかけてヤンチヒョルトの影響力が各地に拡大した。
1926年(~1933年)
ミュンヘンの職業学校にてタイポグラフィ、レタリング講師を務める。
1927年
個展を開催。
ヤンチヒョルト代表作「Die neue Typographie」により、モダンデザインテイストの第一人者となる。
1946年
渡英し、その後スイスと英国で膨大な書物を手がける。
欧米の多方面のデザイナーに大きな影響を与えることとなった。
1947年(~1949年
イギリスに在住。
「the Penguin Composition Rules」として文字組のルールを規格化した。
1954年
米国グラフィックアート協会金賞受賞(ヨーロッパのデザイナーとしては初めて)。
ロンドンのダブル・クラウン・クラブおよびフランス・タイポグラフィ協会名誉会員となる。
参考元
ヤンチヒョルトの代表作品
Die neue Typographie
ヤンチヒョルトを代表する最も有名な著作です。
これがきっかけとなりヤンチヒョルトの名は各地へ広まることとなり、ヤンチヒョルトはモダンテイストの第一人者として君臨。
数々の続編も出版されましたが、後にヤンチヒョルト自身が「Die neue Typographie」の極端性を指摘し、モダンテイスト自体も「右翼的すぎる」と非難するようになります。
The Form of the Book
ブックデザインにおけるページ分割の理想的な比率「Van de Graaf canon」を確立したヤンチヒョルトの著作。
下図は「Van de Graaf canon」
出典 wikipedia
話題の『ヤンチヒョルト展ポスター』
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ヤンチヒョルト展
2013年11月1日~26日に開催されたヤンチヒョルト展。
東京を舞台に、20世紀を代表するタイポグラフィの技術が展示されました。
そのときに飾られた、ヤンチヒョルト展ポスターが次のようなものです。
ヤンチヒョルト展ポスター
出典 http://www.tokyoartbeat.com/event/2013/C4F7
東京五輪エンブレム原案と酷似
現在ヤンチヒョルトが話題になっている理由が、先日公表された東京五輪エンブレムの原案。
パクリ疑惑が浮上した佐野研二郎考案の東京五輪エンブレムですが、大会組織委から「原案がある」として公表されたエンブレム原案が、ヤンチヒョルト展ポスターと酷似していると判明したのです。
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東京五輪エンブレムの原案とされている画像を見てみましょう。
左が原案で、右が修正したものです。
出典 mainichi.jp
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原案と、上のヤンチヒョルト展のポスターと見比べてみてください。
東京五輪エンブレム原案は、明らかにヤンチヒョルト展ポスター内のデザインを模倣したものとなっています。
「東京五輪エンブレムの原案と似ているデザインがあったから(佐野研二郎に)修正をお願いした」と、大会組織委は言っていますが、似ているなんてものではありませんね。
パクリと言われてもおかしくないほとの酷似っぷりです。
ちなみにエンブレム考案者の佐野研二郎は、ヤンチヒョルト展にちゃっかりと参加しています。
こんな状況で「パクリじゃない」なんて、とてもじゃありませんが擁護しきれません。
パクリだらけの五輪エンブレム問題
原案もパクリ。
修正版もパクリ。
おまけに大会組織委は真っ黒(別記事参照)。
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すがすがしいまでの問題点のオンパレードに、非難の声は殺到しています。
管理人の所感
現在公表されている確定版の五輪エンブレムに対しては、ベルギーのデザイナーから提訴されています。
そして今回の「原案にすらパクリがあるよ問題」で、大会組織委が公表したデザインすべてにパクリ元があることが判明。
結局、完全オリジナルのまっさらなエンブレムデザインは、公表されたものの中にはなかったということになりますね。
逆に非難されない点を見つける方が困難な東京五輪エンブレム問題。
そろそろ東京五輪エンブレム問題にも決着がつきそうな流れになってきました。
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